鉄道における「軌道」とは
私たちが普段何気なく乗っている鉄道。鉄道が走るために欠かせないのが「線路」です。「線路」は主に「軌道」と「路盤」で構成されており、レール・枕木・道床で構成された部分を総称して「軌道」、その下に土やコンクリートで盛り固められた部分を「路盤」と言います。
レール交換
列車の乗り心地を決めるもので、列車を円滑に走らせるために敷く鋼材です。レールとレールの継ぎ目を鉄道が通過することで、「ガタンゴトン」という独特な音と振動になります。鉄製のため、夏になると膨張して伸び、冬場になると縮むという特性があり、これらの調整を行うのも軌道工事業者の仕事の一つです。
レールは車輪と接触することで、摩擦や傷ができ、それが列車の振動・乗り心地の悪化につながります。
レール交換は日によりけりですが、30〜60本ほど交換を行います。最近ではレールとレールを繋ぎ、ロングレール化することで独特な「ガタンゴトン」という振動を軽減するのが主流です。
枕木交換
「枕木」とは、レールの下に敷かれ、レールに対し直角になるよう配置されている木製ないしコンクリート製の材料です。レール間隔を一定に保つと同時に、鉄道車両の重さや地面にかかる負荷を分散させる役割を持っています。後述のバラストに列車の重さを分散して伝えることで、レールが沈むことを防いでいます。
経年での劣化や腐食・更に破損などが起こるので、定期的に交換作業を行います。
木の枕木では80kg以上、コンクリート製のPC枕木では実に100kg以上の重さであり、当然機械で交換作業を行います。
※PC=プレストレスト・コンクリートのこと
道床交換・つき固め
枕木を支えるのが道床になります。一般的には路盤の上にバラストという砂利や砕石を敷き詰めるものが有名ですが、新幹線などの高速鉄道によってはコンクリート製のものが敷設されています。鉄道車両の重さや振動を分散させ、さらに騒音の防止にも役立っています。
道床部分については、日々の走行で石そのものが削れたり、あるいは列車通過の衝撃や重みによって道床そのものが沈み、枕木を支えきれず、レールの変位や歪みが生じます。レールの高さの狂いや、歪みなどを直すため、機械を用いて緩んだ道床を固めて水平に戻す作業を「つき固め」と言います。
また、長期使用により劣化や細粒化した砕石そのものを、機械を用いて交換する道床交換工事もあります。
分岐器交換
列車は進路を決めるにあたり、車のハンドルのようなものを持っていません。複数の進路がある場合、列車の進路を変換し行き先を決めるのが分岐器の役割です。
365日、どんな天候でも確実に動作しなければならず、万が一分岐器が動かないと、大規模な輸送混乱に繋がります。
軌道工事において、分岐器も定期的に交換を行い、適切な状態を保っています。
枕木交換の様子
安全への取り組み
株式会社藤工務所では、「安全第一」を最優先事項として、様々な活動を実施しております。
昨今の工事・建設現場では機械化が進んでおり、軌道工事においても例外ではありません。多くの工程で機械を用いて行いますが、最後の確認は人が行います。僅かな違いが工事の成否を決め、ひいては鉄道の安全・安心な運行につながるという職人の世界です。
精度の高い工事計画
これまで経験をもとに様々な角度から安全性を確認し、工事計画書作成を行っております。訓練を実施し、作業員間で綿密な情報交換を行い、工事の安全性を高めています。
現場での安全確認
現場に入る前に必ず「ヨシ!」指差し確認、さらにパネルを設置し全員が「事故の怖さ」を現場で改めて認識し気持ちを引き締め、細心の注意を払いながら業務にあたります。
人材育成
定期的に「社員全員」で勉強会を実施しています。熟練した技術を持つ作業員から若い世代へ知識と技術を伝承しています。
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